村上肥出夫  
 1933-2018年 岐阜に生まれ、幼少期からゴッホに憧れ、独学で油絵を始める。20歳で画家を目指し上京。数々の日雇いの仕事をしながら荒川の鉄橋下で寝起きして絵画の勉強を続けた。昭和36年、銀座並木通りの路上でスケッチをしていて、彫刻家・本郷新に出会いその才能をみいだされ兜屋画廊に紹介される。援助を得て、堰を切ったように制作に励む。、ヨーロッパへも遊学、川端康成など多くの文化人の賞賛を得て「画壇のシンデレラボーイ」「放浪の天才画家」と称された。重々しい絵具の層の中に感情と詩情を塗り込めた作品は、長い放浪の末に生み出された。
 
「秋色」油彩8号