インドミニチュア | ||
インド細密画は16世紀から19世紀にかけて、持ち運びできる絵画、すなわち写本挿絵、あるいはひとつひとつの細密画として王国の工房に所属する宮廷絵師が制作した。16世紀後半から17世紀に北インドのムガル帝国で盛んに描かれたムガル画、ラージャスターンや中部インドで19世紀まで描かれたラージプ-ト画、南インドのデカン地方で制作されたデカン画などに大別され,それぞれ影響し合いながらも扱う主題や絵画様式が異なっている。現在のインドでは細密画作家はごく少数。 掲載した作品がいつ頃制作され、どの流派に属するかは詳らかではないが、高い技術を持った絵師たちの作品に間違いはない。写真ではわかりにくいが、高級な手漉きの紙に子リスの尾などで作った極細筆で髪や髯の一本一本が巧みに描かれている。 |
紙・グワッシュ |
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3. インドミニチュア 紙・グワッシュ |
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4. インドミニチュア 19.5×11.5 ¥150,000 |
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インドミニチュアの特長の一つは色の多彩さである。インディアンレッドと呼ばれている絵具は酸化鉄の赤や虫から採った体液を原料としている。また鮮やかな黄色はマンゴーの葉だけを1ヶ月与えた雌牛の尿を炭火で煮詰めて作られた。豊かな鉱物資源に恵まれているので、それらからも絵具が作られた。ラビスラズリの青や金や銀もふんだんに使われている。時代を経ているので金や銀は変色している箇所もある。 |
5. インドミニチュア 「物語」 紙・グワッシュ・21.5×12 |
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これは写本の1頁で物語の挿絵と思われる。描かれている文字は古代のペルシャ語で、 『そして、アラスタータリス先生のお寺の前に行きました。アラスタータリス先生は、数日してお寺を出てきて、お寺の玄 関の前に座っていました。アルトンの市民がお寺まで来ると、アラスタータリス先生は市民の問題を解決しました。その 後、数日間同じ様な事が繰り返されました。このようにアラスタータリス先生は、神様に感謝しながら日々を過ごして礼 拝を行っていました。ある日あるおばあさんがお寺の前に来て、アラスタータリスを呼びました。おばあさんは、「敬虔な 男性の方、出て来てください。」と3回呼びかけました。4回目でやっとアラスタータリス先生は「あなたは誰ですか。」と 返事をしました。おばあさんは「私は願いの神です。」と言いました。アラスタータリス先生は、「あなたは願いの神様で はありません。勘違いをしている。」と言いました。おばあさんは「私のところに預かり物があります。それをあなたに渡し たいのです。」と言いました。アラスタータリス先生は「あなたのせいで礼拝が出来ません。預かり物の全てを持ってきて ください。」とおばあさんに言いました。おばあさんは、アラスタータリス先生のところに子供を連れて来ました。おばあさ んは、「この子どもを預けます。この子どもを欲しがる人がいつか現れます。」と言い、一緒に指輪を渡しました。アラス タータリス先生は「こんな預かり物は受けとれません。この子どもを自分の家に連れて帰ってください。」と言いました。 おばあさんは子どもと全ての品物を持って自分の家に帰りました。ある日、ナヒドはダイエに「今頃あの子はどうしてい ますか。」と言いました。「死んでいるか、生きているか。ダイエが見に行きましょう。」と言って二人は馬に乗って現場に 来ましたが、その子どもは・・・』 著名な人物の伝記伝説か? |
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6. インドミニチュア 「狩」 紙・グワッシュ 15世紀の詩人 ヘブン へサムの詩 |
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